過去事例に学ぶ社史漫画制作のヒント(7)

過去に制作された実際の社史漫画を読んで、これから社史漫画を制作する上でのヒントを探ります。
(※当サービスの実施事例ではありません)


社史事例_穴吹工務店_表紙
出典:日々是前進 穴吹夏次物語
社史事例_穴吹工務店_漫画
出典:日々是前進 穴吹夏次物語

日々是前進

副タイトル:穴吹夏次物語
著者名等:横山隆二/脚本
     青柳祐介/構成・画
出版者:穴吹工務店
出版年:1992年1月
大きさ:27cm
ページ数:173ページ

高松市に本社をもつ穴吹工務店の社史漫画。創業者である穴吹夏次の人物伝になります。底抜けに前向きでエネルギッシュなキャラクターとして読んでいて元気がもらえる内容でした。

一代記なので主人公は一人。社史漫画本編は170ページほどで、冒頭に年表と会社案内が紙質の異なるページとして6ページ、本編後に改めて会社案内と作画を担当された青柳さんのあとがきがそれぞれ1ページずつの構成になっています。

B5のいわゆる漫画雑誌のサイズに、力強い劇画のタッチは主人公である穴吹夏次社長のキャラクターを後押しする強さを感じました。前半と後半の冒頭、少しだけカラー(一色追加)になっており、特に前半の最初の数ページで描かれる戦後の荒廃した高松市の様子がより印象強く感じられました。

【これから社史を作る私たちの学び】
社史漫画のサイズは、大きく単行本サイズ(B6)、漫画雑誌サイズ(B5)、大きめのA4サイズで作られることが多いようです。また、背表紙を硬くする、柔らかくする、中綴じ(紙を半分に折った真ん中をホチキス等で留める冊子状のもの)、無線綴じ(中のページを表紙で包み背の部分を特殊な糊で固める製本方法)など、装丁にも好みがあるようです。

あえて奇をてらって、紙質まで漫画雑誌に近づけたのが日清食品の社史でしたが、漫画というツールを選択した上で、しっかりとしたトラディショナルな装丁にするのか、漫画雑誌や漫画の単行本の体裁にするのか、そういった文字や内容以外でも想像を膨らませると面白いと思います。


「日々是前進 穴吹夏次物語」は神奈川県立川崎図書館他で読むことができます。
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