社史とは

社史とは、会社の創立時から現在までの歩みを記したものです。扱ってきた商品、サービス、社屋、組織体制などを時系列に網羅し、未来へ残す大切な役割を持ちます。会社の歩み自体は、会社が日々生み出す会社概要、営業資料、社内報、IR情報、ホームページの記事などとは違い、直接的には会社業務に関係しませんが、関係者たちの会社への理解を深めることで組織の結束力やロイヤルティーに貢献します。

社史を作る目的

社史を作る目的は、貴重な資料の保存と継承だけではありません。一冊の書籍となることで、社史は人々に届けられ、また届けた相手によって様々な役割を持ちます。

創業者にとって社史とは、その会社人としての人生を捧げた半生の記録と言えます。

社員にとっては、創業者へのリスペクト、会社に対する理解促進、文化・知識の継承、自己肯定感の向上が考えられます。安定した経営状況において守りの思考が勝る社員も、過去のチャレンジングな時期を知る事で未来へもっと挑戦していこう、と前向きな気持ちが湧いてくるかも知れません。後進の社員たちが進むべき方向に迷った時に、社史に記された創業者の想いや言葉で社員たちを導いてくれことでしょう。

直接、創業者と接点がなかった新入社員たちも、社史から会社の歩みを通じて社風、文化を感じ、組織全体の一体感、アイデンティティーといったものを得られます。

社員の家族、取引先、顧客などにとっても会社や会社が提供する商材に対する深い理解を促進することで、ロイヤルティーを高め、良好な関係性を築くきっかけとなります。装丁、デザイン、編集手法といった社史自体の出来が、会社のブランド向上に寄与することも充分想像されます。

社史のスタイル

社史には様々なスタイルがあります。

私たち「社史漫画.com」は、最も「おもしろく」「読みやすく」「伝わる」手法として漫画という媒体を用いた社史制作を専門としていますが、そもそも社史には色んなスタイルがあります。これから社史制作を検討される上での参考としてご紹介します。

重厚感のある従来型の社史

伝統的な化粧箱に入り、背表紙もハードタイプの重厚感ある社史。アルバムのように写真を中心に説明を加えたものや、文字量を多く当時の社会情勢なども交えて説明をしたものなど、歴史的な資料の保存、継承を目的としたものが一般的。

小説・ビジネス書、ドキュメンタリー型の社史

テキスト中心とはいえ従来型の歴史資料集的な社史ではなく、三人称による物語に乗せて説明をしたもの。取材に基づいた客観的なドキュメンタリータッチなものが多い。

一人称による語りのスタイルも考えられるが、自叙伝、またはエッセイに寄ってしまう。また、フィクションを加え、エンターテイメント要素を加えたエンタメ小説のようにもできるが、活字の場合はフィクションと事実との境目が分かりづらく、いずれも社史としての成立が難しくなる。

社内報、雑誌、ムック本のような社史

少しカジュアルに社員へのインタビューや、座談会といった記事などを中心に過去を振り返る形態。社内向け、社外向け、それぞれ内容は異なるが、社員が創業者からかけられた言葉を集めたり、各社員から社長へ、社長から各社員への手紙といった要素など、さまざまな企画を盛り込むのが特徴。

社史漫画

漫画を使った社史の場合には、一冊を通じて創業者を主人公にしても良いですし、エピソードごとに主人公を変えても構いませんが、必ずキャラクター(主人公)が必要です。主人公の視点で、会社の歴史やエピソードを擬似体験していきます。感情を揺さぶられることで、読み手は「おもしろく」「読みやすく」「伝わる」ことができます。フィクションによる脚色があったとしても、脚注で補足することができるのでエンタメ化しやすいのが特徴です。その他、詳しい説明はこちらをご参照ください。

書籍以外の社史

会社の歴史や文化を伝えるのは書籍だけではありません。Web、映像、資料館など、様々な伝え方、保存、継承の仕方があります。

社史制作の手順

社史を制作する際には、最終的な形態にかかわらず概ね下記の手順になります。

(1) プロジェクトメンバーを選定する

社史制作というプロジェクトを進めるにあたって、メンバーを選定します。社長や役員によるサポート体制を敷いた上で、プロジェクトメンバーの選定にはいくつか気をつけたい点があります。

  • 会社の事業を理解している

会社のメインである事業、その商材や販売形態について深く理解している必要があります。できれば事業部の一員として、または監督者としての経験があるほうが望ましいです。コンテンツ制作、編集を外部へ委託する際にも、上がってくる質問や原稿に対して自分の口で説明や補足ができなければ正しく導くことができません。

  • 各部署へのアクセスを持っている

各部署のキーマンに対し指示系統、または、個人的なアクセスを持っている必要があります。社史作りは全社をあげて協力して進めなければなりません。通常業務で多忙な社員に対して取材面談調整、アンケート回収や、原稿確認作業を依頼する場面も出てきます。その際に、軋轢が出ない関係性を持っている方が望ましいです。

  • 会社が好きで、ある程度の社歴がある

何より、自分の会社が好き、特に長く勤めている上で、会社に愛着がある人が望ましいです。

前述の経験や人間関係に加え、時には制作過程においてA案、B案、どちらがいいか。といった決断を迫られることもあります。そういった際、決断の裁量が認められる年次の方が良いかも知れません。

(2) 社史のコンセプト、スタイルを決定する

どういった形態の社史にするかを決めます。社史のスタイルの項でもご紹介したように、どのような社史にするかといった選択肢は多岐にわたります。今回の社史は誰に向けて、何を最終的な目標とするかを話し合い、スタイルを決定します。

おそらく社史制作会社の選定時に、事例やサンプルを見せてもらえると思いますので、この時点ではざっくりとした方向性でよろしいかと思います。

(3) 社史制作会社を選定する

余程の経験がない限り、いきなり社史を編纂するのは難しいと思いますので社史制作会社へ編集、デザイン、装丁などを外注するほうがスムーズかと思われます。それぞれの目標とするスタイルに適した制作会社を選定するのがよろしいかと思われます。

(4) 社史資料の収集、取材(面談)の調整

社内に過去に制作した社史、(社屋、過去の執務スペースの様子、社内イベント等の)写真や動画、商品の遍歴が分かる資料があればそれらを収集、整理します。社員の手帳やスマホなどにも欲しい情報や資料があるかも知れません。そういった資料の掘り起こしもアンケート等を通じて行います。同時に、社内外の取材対象者への取材(面談)の調整を行います。

(5) 社史本編の制作

本編コンテンツの制作を行います。必要に応じて写真撮影、座談会等の開催も。ちなみに、社史漫画の場合は、シナリオ作成、キャラクター作成、ネーム(下書き)作成、ペン入れ、原稿作成と進行していきます。

(6) 校正・校閲、装丁デザインの確認

コンテンツの原稿作成を終えたら、誤字・脱字・誤植などないかをチェックします。校閲を専門にしたプロがいらっしゃいますので、担当者レベルでのチェックと合わせてプロの目でもチェックをすると良いでしょう。また、ページ構成、装丁についても最終確認を行います。

(7) 製本、配布

一般に販売するのであればISBNを取得し印刷製本から販売までを行う業者へ依頼するのがよろしいかと思いますが、販売はせず関係者へ配布ということであれば、よほど重厚感のある装丁でない限り、昨今はネットプリント(ラクスルさんや、プリントネットさんなど)を活用することで、印刷、製本のコストをだいぶ安価に抑えることができます。

印刷・製本が出来ましたら、挨拶文を添えて関係者へ配布します。

(8) 資料の保存

社史制作のプロジェエクトはひとまず終了となりますが、あくまで会社の歴史は今後も続いていきます。今回のプロジェクトで収集した一次資料、編集にあたっての知見等を次回の社史編纂のために整理して保存します。後世、直接会うことのないかも知れない担当者へバトンタッチする気持ちで、丁寧にまとめることが望まれます。

社史の制作期間

社史の制作期間は、短いものでおよそ1年。長いプロジェクトでは2年、3年とかかります。周年記念のような期限が限られている場合には、これらの制作期間を念頭に早めに着手することをおすすめします。

社史制作の費用

社史制作の費用は小冊子などを除いて、しっかりと一冊にまとめることを前提とすれば、おおよそ600万円〜1,500万円くらいになるかと思います。もちろん、会社によって状況も違いますし、スタイルや企画次第で大きく変わります。もし漫画をメインに社史を作りたいとご検討中でしたら、漫画動画.comのお問合せよりご相談ください。