社史漫画の本編と脚注

社史漫画では、演出上すべてが史実に忠実とはなりません。ストーリの進行上、主人公の気持ちや感情表現などで、分かりやすさが優先されることが多くなります。そんな時に役立つのが脚注です。脚注でフィクション部分の断りや、端折った部分の補完、その後のエピソード追加などを入れることで社史としての情報量が増幅します。


社史漫画では、本編以上に重要な脚注

これはテクニック論になるのですが、社史漫画において、漫画本編以上に重要なのは実は脚注なんじゃないか。と思うことがあります。

普段、漫画雑誌や単行本で楽しんで読んでいる漫画の場合は特に脚注がなくても通じるように描かれていますし、いちいち脚注でリズムを止められるのは、あまりいい漫画とは言えなそうです。

しかしながら、社史の場合は漫画をリズム良く読んでもらうために端折ったり、誇張した演出を入れたりしているうちに、読み手も(どこまで本当なのだろう)と感じることがあります。

社史漫画本編で端折った部分を補完する

例えば端折った部分は脚注で補うということができます。「この頃はまだ大阪支社はなく、社員2名のみの小さな営業所であった。現在の大阪支社オフィスが開設するのは2010年6月。」といった補足情報があることで、突然、大阪営業所を舞台にしたストーリーが始まったとしても違和感なく、また、無駄な説明にページを割くことなくストーリーを進めることができます。

他にも端折るというパターンとして、「このエピソードの二年後、ふたりは結婚し今も家族とともに仙台に住んでいる」といったその先のアナザーストーリー的な脚注を入ることで登場人物(実際の社員たち)が血の通ったリアルに感じさせることができます。

社史漫画らしい誇張した演出をさらに印象付ける

誇張した演出に対する、実際の事実はこうでした。という断りもあっていいのかも知れませんが、逆に、「これはさすがに嘘でしょう?漫画の中だけの話ですよね」と思われるような伝説的な出来事に対し、脚注で「このエピソードは本当。」とあえて入れることで、より一層、昔は信じられないような事があったんだなぁ!という印象を与えることもできます。


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