過去事例に学ぶ社史漫画制作のヒント(2)

過去に制作された実際の社史漫画を読んで、これから社史漫画を制作する上でのヒントを探ります。
(※当サービスの実施事例ではありません)


社史事例_セシール物語_表紙
出典:セシール物語
社史事例_セシール物語_漫画
出典:セシール物語

セシール物語

著者名等:里中満智子/漫画
出版者:セシール
出版年:2003年1月
大きさ:22cm
ページ数:255p

創業者である正岡道一の生い立ちから引退までの半生を描いた漫画。構成は里中満智子によるカラー漫画が250ページほど、巻末に脚本家・市川森一による解説が3ページ掲載。

タイプ的には会社の歴史よりは、人物伝です。セシールの創業までが全編の半分以上を占め、正岡道一の紆余曲折とした経歴、家族との絆などから人柄や信念といったところが伝わってくる内容となっています。

逆に会社の沿革に関しては本社ビルの竣工や、中国工場との直取引の開始などをさらう程度で、そこからも伝えようとしているコアが企業史ではなく人物伝であることが窺い知ることができます。

全編カラーということから、セシールという企業の美意識が感じられます。漫画本自体が発するイメージ、影響力を改めて考えさせられる一冊。

【これから社史を作る私たちの学び】
漫画のカラー化については、制作費用(制作コスト)からすると1ページあたり1万円〜2万円上乗せされるイメージになるかと思います。印刷コストにも影響しますので、全体コストを考え、また、伝えたい裏メッセージ(華やかさ、豪華さ、美意識など)とを鑑みて実施を検討されてはいかがでしょうか。

また読み手からすると漫画を没頭して読んでいるとカラーだったのか、白黒だったのか深く意識しないこともあります。コストを抑えるのであれば表紙で印象的な色を使う、もしくはいわゆる漫画雑誌の巻頭カラーのように冒頭のみカラーにしてインパクトを持たせる方法もありそうです。


「セシール物語」は神奈川県立川崎図書館他で読むことができます。
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