社史漫画の構成を考える

社史漫画のスタイル(型)を決める

全体の構成を決めるとは、すなわち社史漫画全体のスタイル(型)を決めるということになります。構成を考える上でいくつかの型や決め事がありますのでご紹介します。


(1) 主人公を決める

漫画には必ず主人公がいます。社史漫画の一つ目の型としては、一人のある決まった主人公の視点でストーリーが展開されていく。というものです。

主には創業者社長になると思いますが、創業者の奥様の視点で少し客観性を持たせたストーリー展開もありそうです。創業時から創業者を支えた最初の社員(後の二代目社長?)なんかもいいいと思います。いずれにせよ、創業者の簡単な生い立ちなどから始まり、起業、起業後の苦労や喜び、出会い、別れ、経営者としての成長と会社の成長がシンクロしていく姿を描く感じになりますでしょうか。

もっとSFだったり、時空を飛び越えてもいいと思いますが、まずは誰を主人公にするかを決めることになります。

(2) 章立てする

例えば現在の社長が創業者から数えて三代目であったならば、創業者、二代目、三代目、といったように章を分け、それぞれ主人公を振り分ける。という方法もあります。日清食品さんの場合には、章立てを分けるだけでなく、初代はバガボンド風、二代目はアメコミ風、三代目はギャグ漫画風と、それぞれタッチを分ける挑戦もされていました。人で分けてもいいですし、起業編、国内編、海外編、といったように会社の成長ごとに章を分けるというのもアリだと思います。

章と章の間には、コラム的なテキストページを挟み、そこで漫画本編で書ききれなかったこぼれ話や、その当時の社内の様子、社会の出来事、漫画本編に関わる写真などを織り交ぜると社史漫画に深みが出てくると思います。

(3) ショートストーリーを重ねる

また、さまざまな社員のエピソードをショートストーリーとして1〜6ページくらいの漫画にし、それを時系列に並べるようにして会社の歴史と重ね合わせていく。という方法もあります。多くの社員が社史の中で主人公になれる。また、それぞれのエピソードに繋がりはないように思えますが、前半のエピソードが後半の別のエピソードの伏線になっていたり、登場人物もストーリーごとに主人公になったり脇役になったり、読み手にも親しみが生まれてきます。


他にもアイデア次第で、オリジナリティー溢れる構成は考えられます。会社の資料館を訪れた子供がタイムマシンに乗って過去の様子を見る、だとか、テレビ番組のアナウンサーが特番で会社の歴史を紹介する風でストーリーが展開するなど、自由な発想で社史漫画は作ることができます。

他社の社史漫画を参考にする(過去の社史漫画を参照する)などして、まずは目指すべき社史漫画のスタイルを想像し、シナリオを作成していきましょう。

神奈川県立川崎図書館他では、さまざまな企業の社史を所蔵しています。社史制作前に一度足を運ぶと参考になりますよ!社史漫画制作について、ご不明な点があればお問合せページよりご相談ください。